夏期講習の時期が近づいてきました。

私はこの業界に15年以上いるので、業界のいや~な話もいろいろと耳に入ってくるのですが、毎年この時期になると「夏期講習の講座数やコマ数」の話題が出てきます。

一般的に夏期講習というのは塾・予備校にとって稼ぎ時になります。夏期講習のシステムは塾・予備校によって様々ですが、普段の時期よりも授業数が増え、それに応じて動く金額も増えるのが普通です。

とうぜん「必要な指導に対する正当な料金」なら文句はないわけですが、会社の利益のために夏期講習を利用しているだけでは……と思われるようなケースもあります。「数学が苦手だからこの講座をとりましょう」「○○大学を目指すならこの講座をとりましょう」などと言って、とても消化しきれないような講座数を受講させるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

塾・予備校も営利企業なので収益の計算もします。しかし、塾・予備校で働いている人間の意識が生徒のためより会社のため(会社内での自分の立場のため)になってしまったら終わりですよね。なかには、本部から「一人当たり○○のコマ数をとらせること」なんていう通達が来ていて、でも現場の講師からは「そんなに取らせても意味ないですよ」などと言われ、板挟みになっている中間管理職的な位置の方もいたりするようです(気の毒ではあるけれど生徒のために何が大切かを考えなさいよ、と思います)

予備校doは今でこそ定額制ですが、昔は講座数に応じて料金をいただいていたので、夏期講習の申し込みの時期にはあれやこれやと心労がありました。もちろん、利益のために不必要な講座を受講させるなんていうことは全くありませんでしたが、「必要な講座を考えて計算するとかなりの高額になってしまう……どうしよう」ということはよくありました。コマ数を増やせば増やすほど1コマあたりの料金を割引くなど、いろいろと工夫して何とか無理のない料金に、と考える必要がありました。

今は予備校doは定額制ですが、これは定額制にして良かったと思う点のひとつです。料金的な面であれこれ悩んだり作業したりする時間があるなら、生徒を指導したり、教材の研究をしたりしたほうが、生徒にとってよっぽどメリットが大きいですから。そのために定額制にしたわけではないのですが、思わぬ副次的な効果でした。