このブログでは厳しいことを書くことが多い私ですが、実は、生徒を褒めることもそれなりにあります。

単にある問題が解けたというだけではあまり褒めませんけれど、「考え方がつかめた!」というポイントは逃さず褒めるようにしています。

非常に英語が苦手な状態で入会してきた生徒が、先日、文法用語を使って論理的に英文の構造を分析してみせてくれました。私が分析を求めたわけではなく、自発的に自分の考えを披露してくれたのです。

この「自発的に」というのがとても大事なことでして、「こういうふうに考えなさい」と言われたときに、言われたように考えるというのは、ただ指示に従っているだけですよね。考えているといっても、考え方は指示通りなわけです(もちろんそれはそれで重要ですが)。

指示に従うことができたというのは、「その場」だけの成功です。次の日に同じ問題を見て同じように考えられるかは分かりませんし、類題に同じアプローチができるとは限りません。もちろんその考え方を応用するなんて不可能でしょう。

それに対して、今まで習ったことを自発的に使えたというのは、「その場」を離れて「いつでも」その考え方ができるようになっていることを意味します。これこそ「考え方がつかめた」状態です。

おもしろいことに、完全にこの状態に達した生徒はすでにその考え方をするのが当然になっているので、「よくその考え方できたね!」と褒めても、「え、まあ、そりゃそうですよ」という反応をすることが多いのです(褒められて照れくさいのもあるでしょうけど)。しかし私は、こういう反応が返ってきたときこそ、内心でとても喜びます。「前から当然できていましたよみたいな顔しているけど、できなかった頃のこと覚えていないのかよ! すげー成長してんじゃん!! 良かったわ~」という感じですね。

以前、「教える仕事をしていて嬉しい瞬間ってどういうときですか?」と教師志望の学生に訊かれたときにもこの話をしたのですが、私にとってはこういう瞬間こそが嬉しい瞬間です。