長期学習プランについて、だいぶ長く書いてきました。が、まだ終わりません。前回は、学習計画を作るにあたり、①目標とする到達地点から逆算するのはあたりまえですが、②出発地点を見極めることも大切ですよ、ということを、ネットの記事についてあれこれ言いつつ、お話ししました。今回のメインテーマは、③学習内容相互の関連を適切に埋め込む、ということについてです。

学習プランに関して何度でも強調したいことは、「やれば身につく」は幻想、ということです。勉強せずに勉強ができるようになることはなかなかないのですが、勉強すればすぐさま必ず勉強ができるようになる、わけでもない。ここの理解がないと、「とにかく早め早めに詰め込んでいけばOK」という話になってしまいます。

そして厄介なのが、学習には「Aが理解できていないとBも理解できない」ことが多々ある、ということです。たとえば、高校英語のなかで「問題として頻出なのに理解できていない生徒が多い文法事項」NO.1だと思われる(私が勝手にそう思っているだけですが)関係代名詞と関係副詞の使い分け、というものがあります。

関係代名詞と関係副詞の「使い分け」ですから、とりあえず「関係代名詞」と「関係副詞」というものを理解していないといけません。そして、関係代名詞と関係副詞を理解するには、「名詞」と「副詞」というものを理解しておく必要があります(さらに、実際に「使い分け」問題を解くには、自動詞/他動詞という概念と、個々の動詞の語法なども知識として持っておく必要があります)

こういうわけですから、品詞(名詞とか副詞など)→関係代名詞と関係副詞→その使い分け、の順で指導するのが普通です。ですが、ひとつひとつの項目が「教えたら即習得」というものではありません。何度も強調しますが、「やれば身につく」は幻想です。品詞の概念をとりあえず説明することは簡単ですが、それを生徒に身につけさせるのは、恐ろしく大変です。

では、どうするか。たとえば、「名詞と副詞」について教えた後、長い期間をかけてその理解を深め、それに馴染んだ頃に「関係代名詞と関係副詞」を教える、という方略があります。

「Aが理解できていないとBも理解できない」 という関係にあるAとBがあるとき、Aを教えた直後ではなく、あえて熟成期間をおいて、Bを教えるわけです。ですが、ただ時間をおけばいいという話ではありません。AとB以外の様々な項目を学ぶ必要もあるので、AとBの間にαやβの内容を教えることになります。そしてその時、Aの理解が深まるように指導しなくてはいけません。単に時間を置くだけでは、むしろAの記憶が失われてしまいます。

「AとBの間をあけたい、でもαやβも教えなければならない、しかしその間にAの理解を深めなくてはならない」ということを考えるのが、 「学習内容相互の関連を適切に埋め込む 」という、学習プラン作成時の重要ポイントのひとつになります。

しかも、Aの理解を深めるのに必要な熟成期間、αやβを習得するのに必要な時間は人それぞれ異なります。また、本格的に受験勉強を始めるタイミングも人それぞれです(特にdoではひとりひとり違います)ので、受験までに残された期間も考慮に入れつつ、カリキュラムを作る必要があります。

ということで、予備校doでは、「やるべきことは決まっているんだから、とにかくそれを早め早めに詰め込めばいい」という考えで学習プランを作成することはありません。

また、授業のなかでの説明も、その時点で持っている知識、思考力、入試までに残された期間など、実に多くのことを考慮して、その時その生徒にとって最も良い説明をするようにしています。そういう意味でも、doの授業は「予め用意された映像を見る」授業とは全く別物です。(映像授業すべてがダメだとは思っていないのでその点はご理解ください)