今回はこちらの続きです。

「英単語を効率良く覚えるには」というお話ですが、効率の悪い覚え方を排除していけば効率は良くなります。以上。

 

……というわけにはいきませんね。その「効率の悪い覚え方」というのが分かっていないから困るのですよね。

何を言葉遊びをしているんだと思われそうですが、実は以上の話の流れには重要なポイントがあるのです。

生徒たちは「どうしたら効率良く覚えられますか」という質問のしかたをしてきます。「私はこれこれこういうふうに単語の勉強をしているのですが、どこか効率の悪い点はありますか」と訊いてくる生徒はほとんどいません。

単語の覚え方だけでなく、勉強のしかた一般に言えることですが、万人に共通するベストな方法などおそらく存在しません。ただ、「その方法はダメだね」と言われるような勉強のしかたはたくさん存在します。ですので、勉強法の指導というのは、ゼロからの指導ではなく、現状の悪い部分を修正する指導になるのです。

私たちは、現状の悪い部分を発見し、それを指摘して修正するように促すしかありません。実際、「どうしたら英単語を効率良く覚えられますか」という質問には、「今はどうやって覚えているの?」という質問返しをし、現状を聞き出してから初めてアドバイスができます。

以上の話から、一斉授業で学習法を指導することがいかに難しいか、ご理解いただけるでしょうか。ひとりひとりの現状を確認し、それに対して修正を加えるというのは、一斉授業では非常に困難です。予備校doが現在の個別指導スタイルに変化したのには、こういう事情があるのでした。

 

なんだか話が逸れてしまいました。ここで話を終わらせてしまうと「英単語を効率良く覚えるには?」という質問に答えたことになりませんね。

ひとりひとり現状の問題点が異なるので個別にアドバイスをするほうがよいのですが、個別にアドバイスができないこの場では「多くの生徒が陥りがちなダメな方法」を指摘しておきましょう(一斉授業で学習法を指導する場合には普通この方法をとります)

英単語の暗記に関して、ダメな方法の筆頭に私が挙げたいのは「単語を読めない状態で意味を覚える」です。

たとえばphilosophy(=哲学)という単語を覚えるのに、「ピーエイチアイエル……=哲学」と覚えるのは、非常に困難です。少なくとも私にはできません。「philosophy→フィロソフィー→哲学」というように、「英語の文字列を音声にしてその音声に日本語の意味を乗せる」という方法でないと、普通は覚えられません。

「ピーエイチアイエル……=哲学」なんて覚え方は誰もしないでしょうと思われるかもしれませんが、これが意外と多いのです。もちろん全ての単語をこのように覚えているわけではなくて、読みにくい単語だけでしょう。読めなければ調べればいいのですが、読めないということをあまり重く受け止めていないようです。こういう状態になる生徒は「単語を書いて覚える派」に多いですね。一生懸命に何回も書いて覚えているつもりなのに数分経つと忘れてしまうという場合には、かなりの確率でこの状態だと思われます。